名古屋スパゲティ
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“鮮度”と“ネタ”が情報の命。情報社会の料理人は、それをどう料理するか? である。それをどう読み、どう加工するか? それが知恵であり、アイデアである。「お客にいかにウケるか?」が勝負。情報の時代は、料理人の裁量で情報を再加工する時代でもある。たとえ古いネタであっても、重ねて、重ねて、混ぜ合わせ、一ひねりした面白さを創り出すのだ。
いいアイデアは、いきなり出せるものではない。日ごろからのトレーニングがあってのこと。アイデアの素になるのは「気付き」である。この気付きこそが着眼点。アイデアの入り口となるのだ。人は興味があることにはよく気がつく。“好きな人を喜ばせたい”と思うからこそ、小さなことにもよく気がつくのだ。
名古屋ではスパゲティのナポリタンを「イタリアン・スパゲティ」と呼ぶのだと思っていた。よく見ると、鉄皿に薄焼き卵が敷かれて、その上にケチャップを絡めたスパゲティがのっている。名古屋の人達にとって、スパゲティと言えば、このスタイルが当たり前。
発祥は市内東区「喫茶ユキ」。店主の丹羽清さん(故人)が約40年前にイタリア旅行をした時のことである。皿盛のスパゲティを食べたが、すぐに冷めてしまう。だが、この旅行中に鉄皿ステーキを食べている時にひらめいた。「これにのせて出したらいい」と。
しかし、スパゲティが鉄皿に焦げ付くのだ。研究を重ね、最後に鉄皿に溶き卵を流し込むスタイルを完成させた。まさか、溶き卵を流し込むとは……!?。<文・水野勝弘(毎日ビジネスサロン365代表、帝京平成大准教授>
毎日新聞 2008年5月3日 地方版
- [2008/05/04 18:57]
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